地球儀

映画を紹介します

『全員死刑』

まいりました。勢いが凄い。 作り手が「どんなもんじゃい!」と挑発している感じがすごい良かったです。 頭の中に手をつっこまれてグルグルかき回されました。 冒頭から「この映画はフィクションであり、実在の人物、事件とは一切関係がありません。」と大嘘…

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

さて、魅力的な予告編に惹かれ、観てまいりました。 ただ、予告編が良かっただけに、観る前からの懸念がありました。 ・clown(ピエロ)の風貌を完全に明かしていたこと。 ・びっくりさせるだけの演出が多いのではという懸念。 この二点の懸念は当たっていて…

ワンダーウーマンとその他『ジャスティス・リーグ』

まず言いたい。 ワンダーウーマンは最高だ。この点に関して、ガル・ガドットが演じている限りは揺るぎようがないと思う。 ワンダーウーマンの魅力はガル・ガドットの力に依る所が大きい。実際、他の女優が演じるのは考えづらい。彼女の正義感を漂わせる顔立…

言語って面白い『メッセージ』(16')

知的好奇心を刺激する映画に出会った。 『メッセージ』は言語学者の主人公が、ある日突如現れたエイリアンの発するメッセージを読み解こうと奮闘する話だ。 「言語が思考や人格を規定する」という仮説がある。日本人が英語を話す時、別の人格になるという。 …

登場人物みんな変わり者で、困惑してしまった。『ガープの世界』(82')

登場人物みんな変わり者で、困惑してしまった。 ガープを演じるのがロビン・ウィリアムズでなければ観るのが辛かったかもしれない。 この『ガープの世界』、なんとなくファミリームービーかと思っていたら、なんとテーマは「色欲」。 それを最も端的に体現す…

僕もこのエイリアンに魅入られた男の一人だ『スペースバンパイア』(85')

バンパイアといっても、血を吸うわけではなく、人間の魂を吸い取るエイリアン「吸精鬼」が登場する。 その吸精鬼を演じるのがマルチダ・メイという女優。 清々しいほど堂々とヌードを見せてくれる。作中、彼女を一目見てしまった男は、抗いようもなく魅入ら…

見た目の軽さに比べて、すごく泣けた映画『モヒカン故郷に帰る』(16')

どんな映画を観ようかと選ぶとき、タイトルやパッケージ(新作ならポスター)の印象で決めることが多い。そういった意味で、普段ならこの『モヒカン故郷に帰る』はあまり観ないタイプの作品だったと思います。邦画に対するなんとなくの「偏見」があるのだと…

悪夢と地続きの世界が描かれる『ゲット・アウト』(17')

※現在公開中の新作であり、若干のネタバレを含むので注意してください。 悪趣味だと思われるかもしれないが、こういう映画が好きだ。 まるでイーライ・ロス監督作『ホステル』のようだと思った。 『ホステル』は東欧を旅するバックパッカーが、快楽殺人結社…

この二人、すぐに別れるだろ『プリティ・ウーマン』(90')

シンデレラストーリーの面白さは、主人公の女性が周囲から虐げられている所から、王子様がその女性を見出してくれることで、美しく変身していく点にあると思う。 「女性が美しくなっていくプロセス」を観ているのは、気持ちがいい。観ていて楽しい。 ところ…

ジャズに漂う哀愁は映画とよく合う『ブルーに生まれついて』(15')

どうしても「自分はジャズのことには詳しくないですが」とエクスキューズしたくなります。本当にその通りなのですが、どうもジャズって敷居が高いような感じがするんです。その分、憧れもあるのですが。 本作『ブルーに生まれついて』は実在するトランぺッタ…

里帰りをしたときのような懐かしさ『マイ・フレンド・メモリー』(98')

子供のころに夢中になった映画を大人になって見返すというのは、まるで里帰りをするような感覚に近い。 この『マイ・フレンド・メモリー』は、僕にとってそんな映画の一本だ。 観ている間、ずっと懐かしかった。 二人はお互いの弱みを補うように力を合わせ、…

まだ間に合うなら、必ず劇場で見てほしい『ダンケルク』

近頃、クリストファーノーランの映画を立て続けに観ていました。 『インセプション』(10') 『インターステラー』(14') どちらも映像のスペクタクルが凄まじいだけに、これは劇場で見るべきだったなと反省。ということで、クリストファーノーラン監督の新作『…

すべてが懐かしい『パワーレンジャー・映画版』

1995年公開 小さい頃、まだVHSでしたが、この映画をよく見ていました。 ビデオプレーヤーがついている小っちゃいテレビで何度も何度も、この『パワーレンジャー・映画版』を見ました。 先日、TSUTAYAでDVDを発見。 約12年ぶりに再見しました。 懐かしい。 面…

辞書へのフェティシズム溢れる作品。『舟を編む』

登場人物が独特な名前なのがなんとなく気にいりません。(横道世之介とか) 今回も「馬締」ってどうなんでしょう。作品の質とは関係ないと思いますが、、 ちなみに「馬締」という苗字の方は全国に数十人いるようです。 人と関わるのが苦手な主人公・馬締光也…

これは「クレヨンしんちゃん映画」ではなく「野原ひろし映画」だ!『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

いやー、良かった! 久しぶりにクレヨンしんちゃんの映画を見ました。 こんなに楽しめるとは思っていなかったので、とても嬉しい気持ちです。 調べてみると、クレヨンしんちゃんの映画は全部で25作あるようですが、僕が観ているのは6作品だけでした。 名作と…

予告編だけでも十分かも『スイス・アーミー・マン』

『スイス・アーミー・マン』 youtu.be 劇場で予告編を見て、こんなに笑ったことないくらい笑ったので、これは絶対見に行こうと決めていました。 さて、実際に鑑賞したところ、、、 予告編以上の面白さは無いと思いました。 というより笑いどころを予告編にす…

新作映画レビュー『ドリーム』は万人のロールモデルだ!

まず結論からいって、とてもポジティブないい作品でした。「抑圧されても誇りを失わない。そして知識とポジティブさによって状況を打破する」という、とてもまっとうに理知的に勇気を与えてくれる作品だと思います。 監督は『ヴィンセントが教えてくれたこと…

自分の過去を振り返り、キーティングのような教師に出会えなかったことを悔いてはいけない 「いまを生きる」(89’)

公開:1989年 監督:ピーター・ウィアー 脚本:トム・シュルマン 製作 :スティーヴン・ハーフ ポール・ユンガー・ウィット トニー・トーマス 全寮制のエリート男子校。将来を期待される若者たちが新学期を迎える。 規則と伝統を重んじる学校で、生徒たちは…

孤独な男「タクシードライバー」

公開:1976年 監督:マーティン・スコセッシ 制作:マイケル・フィリップス ジュリア・フィリップス 脚本:ポール・シュナイダー 音楽:バーナード・ハーマン ☞眠れない男 トラヴィス。彼の独白からこの物語は始まります。 不眠症の彼は、夜勤のタクシードラ…