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辞書へのフェティシズム溢れる作品。『舟を編む』

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登場人物が独特な名前なのがなんとなく気にいりません。(横道世之介とか)

今回も「馬締」ってどうなんでしょう。作品の質とは関係ないと思いますが、、

ちなみに「馬締」という苗字の方は全国に数十人いるようです。

 

人と関わるのが苦手な主人公・馬締光也が、辞書の編集部に配属され物語が始まります。

演じるのは松田龍平さん、こういう役が本当に上手です。

ドラマ『カルテット』でも同じような役でした。

コミュニケーションが苦手な人の挙動、とくに目の動きが本当に上手い。コミュニケーションが苦手な人って、たいてい体の動かし方も不器用なんですよ。運動神経とかではなく、どことなくぎこちないんです。それが目の動きに最も現れると思ってるんですが、その演技が本当にリアルで上手です。他の方では、濱田 岳さんも同様に上手な役者さんだと思います。

 

主人公は辞書づくりを通して、周囲の人々と打ち解けていきます。

これは彼が「言葉を獲得していく」からなんですね。先輩に勇気をもって話しかけ、惚れた女性に手紙を書きます。つまり言葉が彼と外の世界とをつなぐ橋なんですね。

宮崎あおいの「言葉で言って」というセリフは印象的ですね。

 

さて、物語以上にこの作品が良かったのが、「辞書へのフェティシズムが描かれているところですね。

特に、松田龍平と印刷会社の社員が、辞書の紙の素材について話す場面はとっても良かったです。商品の質にこだわった仕事ぶりも見ていて良いんですが、それ以上に、辞書というモノを愛でているような感じが良いんですよね。小川洋子の世界にも通じる気持ちよさですね。

 

この映画をみると紙の辞書をめくりたくなります。

 

 

 

 

 

言葉を獲得すること、世男